スピン☆オフ
「今日から、チワワって呼んでいい?」


「はぁ~?」


眉間に深いシワが寄る。


「ちっちゃいし、よく吠えるってか?喋るし目デッカイし。紗羽とチワ…ワ…名前も似てるじゃん。」


「ヒドくない?人がせっかく、いい報告してるのにさぁ~。」


アヒル口でプイッとそっぽを向いた。


「ご褒美いらない?」


冷蔵庫の中から、ハーゲンダッツのストロベリーを出した。


「食べるぅ~。」


うっとりと目を輝かせ、お子ちゃまモード突入。


「よし。ちゃんと座って食べるんだぞ。」


頭をなでながら、あたしの手の中にアイスを乗せた。


「うん!!」


ごきげんでソファの上に正座すると、美味しそうな顔をして食べ始めた。


その姿が、エサをもらってご機嫌にしっぽを振るチワワ。


必死に笑いをこらえる霧生。


「チワワ、美味しい?」


試しに聞いてみる。


「うん!!おいちぃ~!!」


言われた言葉も気にせず、元気良く返事。


「ぷっ…あはははは!!」


吹き出して大笑い。


「なに?!」


泣きそうな顔してビックリしてるあたし。


「いや、可愛いなと…思って…。」


笑いのツボから抜け出せない。


「お兄ちゃんに、よく言われる。」


深い意味なんて分らなくて、ニッコリと笑って返した。

< 39 / 298 >

この作品をシェア

pagetop