スピン☆オフ
「そ…そうか。仲いいな。」


「うん!!大好きだし。」


「仲いいのは、いい事だな。」


何とか笑いのツボから抜け出した時。



チャッチャラ~

チャラッチャ~



霧生の携帯が鳴った。


空気が固まった----。


二人の目がパチッと合う。


お互い『冬槻』と直感した。


ゴクリと息を飲みながら、霧生がテーブルの上にあった携帯を手に取った。


「…はい。」



「あっ、霧生くん。久しぶり。」


「久しぶり。どうした?」


かすかに携帯から音漏れして、聞こえる緊張した冬槻の声。


霧生の雰囲気が重たくなってる。


2人の緊張が、あたしにも伝わってくる。


「うん。今度ご飯食べに行かない?」


「急に、どうしたんだよ?」


知っていながらも、驚いたように言ってくれてる。


「あのね、頼まれたんだ。ある女の子に。」


「それで?」


「ダメ…かな?」


「いいよ。で?いつにする?」


「明日、その子に聞いてみるから。都合のいい日は?」


「来週の火曜かな。」


「分った。じゃあ、また連絡するね。」


「うん。待ってる。」


電話を切った瞬間、その場に座り込んだ霧生。

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