スピン☆オフ
病院の関係者があたしに関わってるとなると、どうなるか分ってるから。


お兄ちゃんにお願いしても、お父さんが勝手にクビにしてるパターンもあるし。


霧生達に迷惑かけたくない。


だって、ハーゲンダッツのストロベリーくれるから。


単純な事だけど、霧生は悪い人じゃないから。


人としては好き。


次の日の放課後、1番最初に霧生の所へ行った。


ラッキー♪♪


霧生1人じゃん!!


「見て見て!!お兄ちゃんに携帯もらっちゃった。霧生もメールしよ?」


ご機嫌で携帯を見せると、霧生の視線は携帯に注目。


「これ、電源切っとけよ。病院内だし。」


冷ややかな口調。


やっぱり、そういう所だけは厳しいんだから…。


「分ったから。メール!!メール!!」


白衣の裾を引っ張ってダダをこねる。


「…ハァ。仕事終わってからね。」


呆れてため息ついてる。


霧生の仕事が終わるのを待つ間、外科の冬槻の所へ顔を出した。


昨日の約束の件で…。


外科に顔を出すなり、冬槻はニッコリ微笑んで軽くお辞儀をした。


それを周りにいた6人のナースが見て、驚いた表情を隠しきれなかった。


当然でしょ。

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