スピン☆オフ
お父さんだ…。


こんな所で会うなんて。


周りの取り巻きドクター達が、あたしを発見するとピリピリオーラを放ってる。


うつむきながら走って通り過ぎた。


悲しいとかじゃない。


苦しいとかそんな感情なんて、とっくになくなってる。


あるのは憎しみだけ。


なんで生かしてるの?


いっその事、殺してくれれば良かった。


小さい頃ずっと思ってた。


だけど今は生かせてくれた事はうれしい。


お兄ちゃんに出会えたから。


あたしは、それ以外感謝なんてすることはなかった。


801号室に着くと、肩で呼吸してる自分がいた。


バタンと吸い込まれるかのように、ベッドに倒れこんだ。


会いたくない人に会っちゃった…。


そうだ半年前も病院で会ったんだ。


院長回診で病棟回ってて。


その時は、お兄ちゃんが病院にいて。


お兄ちゃんを探してて会っちゃったんだ。



-----やっと思い出した。


思い出していいことなのか?



ガラガラ…。


急に病室のドアが開いた。


まさかお父さん?!

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