スピン☆オフ
「冬槻が…冬槻が…。」


それ以上の言葉が出てこないのか。


言葉がつまって話が分からない。


「ちょっと待ってて!!急いでいくから。」


プツン…。


ジレったくて電話を切ると、急いで着替えて霧生の家に向かった。


自分でもビックリするくらいの速さで、全力疾走で3分で霧生のアパートまで着いてしまった。


ドンドンッ!!!!!

ドンドンッ!!!!!


息を切らせながらドアを叩いた。


「………。」


返事がない。


何回も何回もドアを叩いた。


だって嫌な予感がして。


「霧生!!霧生!!開けて!!!」


深夜の静まり返ったアパートの廊下に、大きく響き渡るドアを叩く音とあたしの霧生を呼ぶ声。


近所迷惑なんて考えてなんかいられない。


ただ、霧生の無事を確認したかった。


「霧生!!お願いだから…お願い…お願いだから…。」


悪い予感が頭の中を埋め尽くして…。


ドアを叩きながら泣いてた。
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