スピン☆オフ
「…ごめん。あたし何にも言えなくて。」


「いいんだ。中学生のチワワをこんな時間に呼び出して、こんな話をしてるオレの方がどうかしてるよ。」


悲しそうに微笑む霧生が、今にも消えそうに思えた。


「霧生…。あたしが一緒にいるから。」


思わず優しく抱きしめた。


つかまえていなければこのまま、どこかに消えちゃいそうな気がして…。



…霧生の体は温かくて。


しっかりとあたしを抱きしめる腕。



……大丈夫。


霧生なら消えたりなんかしない。


そう安心できた。


「ありがとう。チワワが大人だったら良かったのにな…。」


耳元で小さく囁いた。







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