スピン☆オフ
学校には行ったけど、1日中心配で仕方なかった。
1日がこんなに苦しくて長く感じたのは、初めての経験だった。
お兄ちゃん以外で、こんなに頭の中を埋め尽くすなんて…。
学校が終わると同時に一目散で病院に向かった。
5階の小児科までエレベーターなんか待ってられない。
階段をダッシュで駆け上がって行った。
息が上がって呼吸するたびに肺が痛む。
そんな状態でナースステーションに駆け込むと、驚いた顔でナース達が見た。
「…き…き…りゅ…霧生は…?」
苦しい呼吸の中で、霧生の名前を出すのも辛いくらい。
「昨日付けで辞めましたけど?」
不思議な顔をして、近くにいたナースが教えてくれた。
「えっ?!…辞めた?」
ビックリして目を丸くした。
「はい。急な話で看護士長も困ってましたよ。」
「ありがとう。」
そう言ったと同時に、急いで霧生の家に走った。
嫌な予感がする!!
だって今朝は何も言ってなかった。
仕事に行くって言ってたじゃん?
辞めたなんて聞いてないよ。
---もう、頭の中は恐いくらい嫌な予感が埋めつくしてる。