スピン☆オフ

学校には行ったけど、1日中心配で仕方なかった。


1日がこんなに苦しくて長く感じたのは、初めての経験だった。


お兄ちゃん以外で、こんなに頭の中を埋め尽くすなんて…。


学校が終わると同時に一目散で病院に向かった。


5階の小児科までエレベーターなんか待ってられない。


階段をダッシュで駆け上がって行った。


息が上がって呼吸するたびに肺が痛む。


そんな状態でナースステーションに駆け込むと、驚いた顔でナース達が見た。


「…き…き…りゅ…霧生は…?」


苦しい呼吸の中で、霧生の名前を出すのも辛いくらい。


「昨日付けで辞めましたけど?」


不思議な顔をして、近くにいたナースが教えてくれた。


「えっ?!…辞めた?」


ビックリして目を丸くした。


「はい。急な話で看護士長も困ってましたよ。」


「ありがとう。」


そう言ったと同時に、急いで霧生の家に走った。


嫌な予感がする!!


だって今朝は何も言ってなかった。


仕事に行くって言ってたじゃん?


辞めたなんて聞いてないよ。



---もう、頭の中は恐いくらい嫌な予感が埋めつくしてる。

< 64 / 298 >

この作品をシェア

pagetop