スピン☆オフ
「それが、どうしたの?」


「ここからが、秘密事項なんだけど…。秋洋くんが薬品保管室から出てきた次の日、薬品がひとつ足りなかったらしいの。それと、その日運ばれた男の子。食中毒かと思って検査したら、紗羽ちゃんのあげたケーキから、無くなった薬品が検出されたんだって。さすがにマズイって事で、死因は心臓発作って事にしたらしいけど…。」


「嘘でしょ?!」


「本当よ。」


「霧生君だって、使ってない病室から紗羽ちゃんと出てくるのを院長が見てたらしいの。」


「それって…。」


「多分、秋洋くんの耳には入ってるんじゃない?」


「その数日後に冬槻先生でしょ?」


「霧生君にとって、一番大事な人だったからね。冬槻先生も、紗羽ちゃんと仲良さそうだったし。クビはいつかと思ってたんだよね。」


そこから先の会話なんて聞こえなかった。


だって、信じられない話を聞いてしまったから。


あたしの作ったケーキに薬品が入ってた?


霧生とあたしが病室で会ったから、冬槻先生殺されたの?


全然、分んないよ!!


お兄ちゃんを探す事も忘れるくらい頭の中がグチャグチャ…。


単なる噂と思いたかった。


無意識に足早に家に帰っていた。
















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