スピン☆オフ
対策室まで作られてた。


本庁のお偉いさん方がお兄ちゃんに


「よかったな!!」


なんて笑顔で肩を叩いてる。


このお偉いさん達、うちの病院よく来るし。


子供がお兄ちゃんの友達だった気が…。


お兄ちゃんはあたしの顔を見るなり、駆け寄って力いっぱい抱きしめた。


「無事でよかった。」


泣いてるお兄ちゃん。


……気分が悪い。


お兄ちゃんに触られるだけじゃない。


耳元で聞こえるお兄ちゃんの呼吸音。


自分の呼吸の仕方も分らないくらい。


頭がボーっとなってくる。


…酸欠?


お兄ちゃんの悪巧(わるだく)みを、全部ぶちまけてやろうと思った。


「…あ…あたし…、誘拐……されて…ま…せん。」


朦朧とする意識。


「きっと最近、いろいろ悲しい事が続いてたから。旅行したかったんだろ?でも急にいなくなったから、誘拐されたかと心配になったんだぞ。」


兄ちゃん…それも台本通り?


薄れていく意識。


-----呼吸ができない。


倒れる寸前だった。

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