スピン☆オフ
あんなに嫌いだったのに、今じゃ楽しかったなんて思っちゃう。


夜になれば、お兄ちゃんがやってくる。


お兄ちゃんがくれば、自分がどうなるか分かってる。


気持悪くて…


苦しくて…


生暖かいあの感触。


きっと何も知らなかったら、今でもお兄ちゃんとの快楽の虜になってた。



今でも体は反応する---。


体がにインプットされてるから。


だけど心は引き裂かれていくだけ。


どんなに愛しても、いくら尽くしてくれても、亀裂の入った心はミシミシと音を立てて深く裂けていく。


生きてる意味もなくて。


ただの、お兄ちゃんの人形にしかすぎない。



---中身が空洞の人形。



昼間は監視され、夜はお兄ちゃんの人形となって。


ご飯を食べた記憶も、お風呂に入った記憶も…。


お兄ちゃんにキスされた記憶も…。


この家に帰ってきてから、ずっと頭の中の酸欠が続いてる。


自分が生きているかさえ忘れそうになってた。


お兄ちゃんが周りに演技をしてるように、あたしもお兄ちゃんに演技しよう。


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