・+◇【短編】White love letter
「すいません。佐宮 葉月君の病室ってどこですか?」
私が尋ねると看護士さんが不思議そうな顔をして言いました。
「失礼ですけど‥葉月のお友達?」
『ん-っと‥‥』
言葉に詰まりました。
友達、っていうか‥
昨日逢ったばかりだけど‥。
「昨日この病院の近くの桜の木の下で出逢って、少し話をしただけで、友達ってわけではないんですけど‥‥。」
言葉に詰まった私に看護士さんは優しく言いました。
「あ、ごめんごめん。あなたの事疑ってるとかそういうのじゃないのよ。
葉月は小さい頃からず-っと入院していたから、友達が今まで全然出来なかったの。
だから少し不思議に思っただけなのよ(^^)」
ごめんなさいね、という看護士さんの声には
お母さんのような温かみがありました。
「葉月の病室に案内するわ。」
私は看護士さんと一緒に歩き始めました。
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