・+◇【短編】White love letter
「さぁ、着いたわよ」
看護士さんは立ち止まると
【佐宮 葉月】と書かれたネームプレートを指差しました。
「葉月の話相手になってあげてね」
そう言うと看護士さんはまた早足で去って行きました。
残された私はドアの前に立ち尽くしたまま、急に不安になりました。
―‥いきなり逢いに来て、
大丈夫かな‥‥?―――
あなたに惹かれて
もう一度逢いたいと思う気持ちだけでここまで来たけど、
あの言葉は社交辞令かな、とか
本当に逢いにきたら引かれるかな、とか‥
私は、不安になりました。
――‥でも
そこにあなたがいる
ドアを開ければ、
あなたがいる。
そう思うと、私は無意識のうちに
ドアを開けていました。
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