・+◇【短編】White love letter
扉の向こう
――‥ガラガラッ
ドアを開けると
あなたは窓の外を見ていた視線をこちらに向けました。
「こっ‥こんにちは!!」
私はまた声が上ずりました。
『‥‥‥小春??!』
あなたは少しびっくりしたようでした。
『本当に俺のお見舞いに来てくれたの?』
「‥‥うん」
『‥‥‥まじ?!ありがとう!!!』
あなたは私の心配をよそに、
ただ喜んでくれました。
『本当に来てくれるなんてめっちゃ嬉しい!
でも俺の病室どうやってわかったの?』
瞳をキラキラさせながら尋ねるあなたは
ドキドキするくらい輝いていました。
「受付で名前言ったら、看護士さんが連れてきてくれた。」
緊張で目が合わせられない私は、一気に言いました。
『そっか(^^)
俺、ずっと入院してたから誰かがお見舞いに来るなんてすげ-久しぶりだ♪』
春風が包み込む三月の病室は
壁も天井も何もかもが白いはずなのに
ほんのり桜色に色付いているようでした。
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