・+◇【短編】White love letter
「‥‥‥私は、私は‥葉月は絶対死なないと思います。
だから、辛い思いなんてしません。葉月と一緒にいたいです。」
あなたが死んでしまうなんて、
そんなこと信じたくなくて
ほとんど言い聞かせるように
私は言いました。
「わかった。
あなたがそう言ってくれて嬉しいわ。
葉月には、私から話しておくわね。」
にっこり笑うと、蒼井さんは葉月の元へ向かったようでした。
私は一人残されて
急に心細くなりました。
――‥あなたが死ぬ?
そんな事信じたくない。
――‥大丈夫、葉月は死なない
‥まず、私に出来る事は
外出許可の一日を
精一杯楽しむことだ‥――
私はまた自分に言い聞かせました。
外から入ってくる春風は
相変わらず優しくて
私を落ち着かせてくれているようでした。
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