・+◇【短編】White love letter
「よいしょっ」
塀をよじ登った向こうの景色の中には
大きな大きな桜と、あなたがいました。
あなたは
満開に咲いた桜を見上げて
雫のような涙を流していました。
その景色が
あまりに綺麗すぎて
私は動くことが出来なくなった。
---‥一瞬で
見る者全てを引き付けるような、
桜のような、あなただった。
冷たさを感じるくらい
透き通った白い肌に
焦げ茶色の瞳‥‥
そして整った顔‥‥
私は瞬時にとらわれた。
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