・+◇【短編】White love letter
「葉月、これ‥」
私は今もなお透明に輝き続ける石を、葉月に渡しました。
『いや、俺はいい。小春が持ってな。』
「だめだよ。葉月が最後の一個に選んだんだから」
『小春が月にかざしたから本物だってわかったんだよ』
「でも、葉月はずっとこれを探したかったんでしょ?」
『いや、小春が持ってろ』
「だめ!葉月が持ってて!!手術のお守りになるかもしんないし」
あなたは少し間を置いて言いました。
『小春が幸せな事が俺にとって1番幸せなんだ。だから小春が持ってろ。これは絶対だからな。』
あなたは石を私の右手に握らせました。
『小春、覚えていて。
俺はどこにいこうと小春の幸せを願ってるから。
俺がいない間に
辛い事があったら
この石をお守りがわりにしてて』
「‥‥わかった」
私はてのひらの中の石を
もう一度握りしめました。
この時あなたから言われた言葉、
今でも私の支えになってるよ
あなたの幸せが
私の幸せなら
私はどこまでも歩けそうな気がしたの
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