Run☆Love

―――――――――――

中3



今年二回目の試合だった

『ヤバい!急がないと遅れる~!!』

中学でも陸上をしていたあたしは試合が始まる前のスタート位置に行く途中だった。


『急げ~!』


道を曲がった直後、

ガンッ

何かにぶつかった。


『いったー!』

勢い余ってしりもちをついてしまった。

顔をあげると男の人がいた。


「いっっー。あ、えと、だ、大丈夫?」

彼は痛そうに顔をしかめながら、でも心配しているように私に言った。

「あ、はい!大丈夫です!すみませんでした!あの、大丈夫ですか?」

「ああ、うん。大丈夫。」

すると、まだしりもちをつきっぱなしのあたしに、彼は笑って手を差し出した。


「あ、ありがとう…ございます。」


なぜか、素直に手を借りてしまった。

あたしが立ったあと、彼はすぐに立ち去ってしまった。




このときは

まだ、なんとも思ってないと思ったけど、

思い返せば、

このときから彼に惹かれていたのだろうか。




< 6 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop