その妖、危険につき

ああ、このまま犯されるんだ、不注意だったから、と思った。


だけど突然、彼は手を止めた。馬乗りになったまま、体を起こした。なんだか思案しているような顔をしていて、私に視線を戻すと、またにやりというかんじで笑った。



「お前、女子高生だよな。いくつだ?」

彼の口元は笑っていたけど、目は怖かった。有無を言わせぬ力があった。


「やりすぎたか…? おい、答えろ」

「…じゅう、しち…」

「高二か?」


頷こうとしたけど、うまくできなかった。瞬きをゆっくりと一回した。
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