その妖、危険につき
その男、妖につき
背中が痛くて目が覚めた。目を開けると見慣れた天井が見えて、窓から光が漏れているのがわかった。私はどうやらベッドに寝ているらしい。寝返りをうちたいのだけど体を動かすだけの気力がなかった。
なんとか首だけを動かすと血で汚れたタオルが見えて、あれは夢じゃなかったのだとわかった。
彼は、あの人は、いや、あれは、人ではない。人の形をした、人ならざるもの。
私はとんでもないものを家に入れてしまったのだ。