その妖、危険につき
「勝手に、私のバッグ開け…」

「ひなた寝ちまっただろ。調べとこうと思って」

「さいってい…」

「それはどうも」

彼はむしろ嬉しそうに笑った。



「ひなたが十九歳になる二年後の五月二十八日まで待ってやるよ」

「そしたら、私を殺すってこと?」

「喰らってやるって言ってんだよ。ひなたほどの人間に会ったことなかったからな。俺は御馳走は最後まで取っておく主義だ」




二年後に私は死ぬ。この人ならざるものに、殺される。
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