その妖、危険につき
「ねえ、まだ話あるの?」

「いや、だいたい説明できたんじゃないか?」

「じゃあ、用は済んだでしょ。もう帰ってよ」

「何言ってんだ。俺はここに住む。ひなた一人暮らしだし、問題ないだろ?」

「はあ!? 意味わかんない」

なんてことを言い出すんだ。どこに問題がないというのか。


「二年間、しっかり見張らないとな。変なのに狙われないかとか、処女を守るかとか」

信じられない。彼があやかしってこともだけど、この神経が信じられない。

だけど悲しいかな、私の体は動かない。もう、やだ。


なんか、ここまでくると、逆に胆が据わってきた。
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