その妖、危険につき
「あやかしにも幽霊が見えるの?」

「あれが見えないのなんて人間くらいだ。だけどたまにお前みたいに、人間でも見える奴がいる。道理で俺が人間じゃないって気づいたわけだ」

「だって、それは。あんなことされれば誰だって」

「する前から怯えてた。怪我してたからとかじゃなくて、怖いと思ってただろ? 女は俺を見ると見惚れる。魔力がそうさせる。お前は最初から勘が良かった」


昔から、幽霊が見えた。見えることにはもう慣れてしまったけど、やっぱり怖かった。特にあの恨んだ目をしている霊は怖かった。
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