その妖、危険につき
「なんかさ、ひなた、感じ変わったね」
「え?」
真奈がしみじみと放った言葉に、私は思わず訊き返した。意味がわからない。
「いい意味で」
真奈とは幼馴染で、高校は違うけど今でもこうやって会う。うちの事情も知っている、私が唯一気を許せる友達だと思う。
「何かあった?」
「さっきから、意味わからないんだけど」
「ひなたはさ、前はもっと、なんていうんだろう、硬かった。全部自分でできるってかんじで、人を寄せつけないというか。でもなんか、やわらかくなったよ。なんか、いい出逢いでもあったんじゃないの?」
真奈は探るような、揶揄するような瞳を私に向ける。