その妖、危険につき
「そんなの、あるわけないよ」

出逢いはあった。廉に逢ってから、真奈に会うのは初めてだ。だからといって、それがいい出逢いであるはずがない。

だって、廉は自己中で自分勝手で、二年後に私を殺す奴だ。たまに優しく見えるのだって、それは私が御馳走だからで、単なる気まぐれで、そんなあやかしとの出逢いがいいもののはずがない。



「ホントに? なんかあったら絶対教えてよね。私のことくらい頼ってくれなきゃ」


真奈にだけは何でも話したい。相談したい。だけど廉のことを話すのは無理だ。信じてもらえるような話じゃないし、真奈には心配をかけたくない。
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