その妖、危険につき

「何、今の人? ナンパ? ちょっとかっこよかったよね」

「ナンパなんてされないよ。荷物落としちゃって拾うの手伝ってくれたの」

真奈の言葉に私は肩をすくめて否定した。ナンパなんてあるはずないし、本当のことを真奈に話すわけにもいかない。


「ふーん。いいなあ、目の保養」

真奈が羨ましそうに呟いたので、私は思わず笑ってしまった。
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