その妖、危険につき
その平穏、嵐の前につき
学校の帰りにスーパーに寄った。玉ねぎを買ったせいか、荷物が重い。空が暗くなり始めたなあと重いながら歩いていると、突如腕を掴まれた。
驚いて息が止まりそうになる。
「何、呆けてんだよ」
聞こえてきたのは、最近聞きなれた声だった。
「廉…、びっくりさせないでよ」
「貸せ」
私の文句も聞かず、廉は私の手からエコバッグを取り上げた。
「…ありがとう」
二年後に私を殺すと言った人間…じゃなかった、あやかしのすることとは思えない。
廉は私の隣に並んで歩き出した。