その妖、危険につき
「今日、ハンバーグだよ」
「そりゃあいい」
廉は肉が好きだ。魚や野菜を食べないわけではないけど、やっぱり肉食らしい。
「どんだけ重いもの持ってんのかと思ったらそうでもないじゃねえか。よたよた歩いてるから、いつコケるかと思った」
よたよたって、ひどい言われようだ。でも、少しは心配してくれていたのだろうか。そう思うと、少し心があったかくなる。
あやかしを優しいだなんて思うのは間違いなのかもしれないけど、廉は優しいと思う。いつも優しいわけではないけれど、きっと根っこから悪いあやかしではないのではないか。
私はそう思い始めていた。