その妖、危険につき
「なんだ、ひなたか」
「なんだ、て…急に何?」
「こそこそ近づいてくんじゃねえよ。一瞬殺しちまいそうになったじゃねえか」
殺すのが今か二年後か、それだけじゃないか。そう思ったけど、口にはしなかった。
心のどこかで、そうじゃないと思っている。
「寝てたんじゃないの?」
「のんきに寝てたわけじゃねえよ。寝てる俺に近づくな。反射で体が反応しちまうから」
「よくわかんない」
「よくわかんないならいい。とにかく、寝てるときにむやみに近づくんじゃねえよ」
廉は私の体を起こして、頭をかいた。
「なんだ、て…急に何?」
「こそこそ近づいてくんじゃねえよ。一瞬殺しちまいそうになったじゃねえか」
殺すのが今か二年後か、それだけじゃないか。そう思ったけど、口にはしなかった。
心のどこかで、そうじゃないと思っている。
「寝てたんじゃないの?」
「のんきに寝てたわけじゃねえよ。寝てる俺に近づくな。反射で体が反応しちまうから」
「よくわかんない」
「よくわかんないならいい。とにかく、寝てるときにむやみに近づくんじゃねえよ」
廉は私の体を起こして、頭をかいた。