その妖、危険につき

「ごはんできたから呼びに来たのに」

「そうか、腹減った」


さっきまでのが嘘のように、廉は行儀よく座った。これ以上文句を言っても仕方ないので、私はキッチンに戻ってできた料理を運んだ。テーブルにお皿を並べて席につく。



「「いただきます」」

いつの間にか、二人でごはんを食べるのが当たり前になってしまっていた。

慣れていた一人きりのごはんは、とても寂しい。たまに廉のいないときに一人でごはんを食べると、あまり味がしない気がする。
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