その妖、危険につき
「あ、あの、何か?」

「うまそうな、においだ」

おかゆにおいしいにおいなんてあるだろうか、と思う間もなく引っ張られて、かと思ったら視界が反転した。



視界には彼の顔を天井。背中にはソファの柔らかさ。


押し倒された、と気づいたときにはもう遅く、目の前には彼の闇色の瞳があった。吸いこまれた、と思ったときに、唇に柔らかい何かを感じた。
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