SECRET×CROSS

『冬のデート』
どんな感じか想像してみよう。


寒い街中、私は彼を待っていた。
酷く寒いこの日。手はかじかんでいた。

早く逢いたい。早くしないと
凍え死んじゃうよ。

すると「おーい」という声が聞こえた。
彼だった。よかった、来てくれた。

「お前 手…」

「え…?」

「スゲェ冷たい」

「さ…寒いからね」

「じゃあ俺が暖めてあげる」

彼は私の手を握る。
うわぁ。
彼の手はとっても暖かかった。

次第に私の手も暖かくなってくる。
そして体まで暖まってくる。

「お前…顔真っ赤」

ついに顔まで暖かくなってしまった。
でも、これは彼の温もりじゃない。
つい、恥ずかしくなっちゃったんだ。

「暖かいんだからしょうがいないでしょ」

そう言って誤魔化す。


冬の寒さに負けないほど暖かい。
そうかこれが『冬のデート』なんだ。


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