SECRET×CROSS

まず、駅に向かった。
電車に乗ると思いきや、タクシーで移動。

タクシー代は姉が払ってくれるらしいので
お言葉に甘える。

タクシーに乗ると姉は
ずっと黙ったままだった。

だから私も黙ったまま。

その間は時が過ぎるのが遅く感じた。



「着きましたよ」

タクシーの運ちゃんが言った。

よかった。やっと着いた。


一体どこに着いたんだろう。


窓を眺めると、何やら立派な建物が
そびえ立っていた。
なにこの建物?


「ここなの?」

「うん」

やっと姉が喋ってくれた。


「とりあえず入って。
 中に私たちのお知り合いさんがいるよ」


お知り合い?
しかも「私たち」ってことは私も入っている
ことなのだろうか。

共通の知り合い?
一体だれ…?


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