SECRET×CROSS
建物の中に入るとすぐ受付があった。
そこまであるなんてさすが立派だ。
一体どんな建物なのだろうか。
「あー!やっと来たっ」
向こうから女性の声がした。
…あれ?
この声どこかで…。
「美希ホント遅い!」
「時間通りに来てんじゃん!
ミナちゃんはホント真面目だよねー」
ミナちゃんだった。
あの時、私が困っていたとき
助けてくれた優しい人。
どうしてここに?
もしかして仕事とか?
じゃあ、私は何の為に呼ばれたの?
「ん…?」
ミナちゃんが私をジッと見た。
そうか。昨日逢っても
その時の私は姉として撮影していたから
本当の私の姿を見せたことはなかった。
昨日のことバレてなんかいないよね。