SECRET×CROSS

意外な言葉を口にしたので
私は急にポカーンとしてしまった。

「アンタみたいなやつがモデルなんて
 できるのかよって思った。
 でも撮影見せて貰ったら
 意外にやるじゃない」


弥紗ちゃん、私を許してくれるの?
そうだとしたら、凄く嬉しいことだ。

私ずっと、弥紗ちゃんに嫌われる
存在かなっと思ってたから。


「弥紗アンタのことなんて呼べばいい?」

「普通に“アキ”って呼んでくれても…」

「そう、じゃあアキこれからもよろしくね。
 弥紗のことは“弥紗”って
 呼んでもいいから」



初めて弥紗ちゃんが
私の前で笑顔で見せてくれた。

弥紗ちゃん笑うとこんなに可愛いんだ。


「こちらこそよろしくね」

私たちは握手を交わした。


「交渉成立ね」

「え?」

「友達交渉成立ってことよ」

「うん」


モデル界で友達が一人増えました。


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