SECRET×CROSS
「…うん いいんじゃない?」
ついにOKが貰った。
あぁ凄く嬉しい。
何だろうこの気持ち。
写真を見せてもらった。
確かに自分をアピールしている
感じがする。
今までで最高の写りだった。
新人の私でも分かる。
「亜希お疲れっ
やっと気づいてくれたね」
「…そういえば今日の撮影の
テーマ一体何だったの?」
「今日の撮影のテーマ
それはもちろん『特訓』よ!」
と…特訓!?
だからあんなにダメ出しを食らったのか。
「まあ、別名『力試し』でもあるね」
でも何でいきなり私に
こんなことをさせたのだろうか。
「亜希この業界に入って撮影所の環境に
なれてきたでしょ。
ここからなの本番は。
今まで亜希はピンでの撮影だったよね。
でもそれだけじゃない。2,3人と
一緒に撮影したり、場合によっては
大人数で撮影したり。
撮影って自分の空間だけじゃないんだ
ってことを教えたかった。
そして、複数の人で撮ると随分と
雰囲気が変わる。場合によっては
自分のポジションをなくしちゃう
場合だってあるの。
亜希と撮影させて貰ってわかるけど
亜希はまだ後ろ向きなのね。
せっかくのツーショットなのに
私だけが目立っている気がしたの。
これじゃあ、勿体ないでしょ?
だから何とか自分の立ち位置を考えて
自分を一部でもアピールさせて
欲しかった。
どう?納得できた?」