教師×教師 〜大人のようで子供な二人〜
それから数日...
「先生さよなら」
「はい、さよなら」
あれから悠斗は一切現れなくて、内心ホッとしてる。
でも多分もう親に頼んで、私の学校は見つけ出しているだろう。
「お疲れ様でした〜」
部活も終わり、校門を出ると外車が止まっていた。
「お疲れ、迎えに来たよ杏利」
「嫌よ、私はやり直す気なんてない」
「あっそう。じゃあ中村大輝がクビになってもいいんだな?」
「えっ....」
「中村大輝 桜ヶ丘中学校に勤務、25歳国語教師。お前の彼氏だよな?」
「どう...して...」
「別れて、俺とやり直せばこいつはクビにはしない。俺に反抗したら...クビだ」
「嫌...そんなの嫌よ」
「じゃあ俺とやり直すよな?」
大輝をクビにする?...
大輝と別れる?....
「ちょっと待ちなさい」
「誰だよあんた」
「佐々木先生の上司よ」
「で?」
「中村先生をクビにするなら、私をクビにしてちょうだい。
私妊娠してるからあとちょっとで産休入るし、お金には困ってないしね」
「いいんだな?俺の親は教育委員会の偉い人だ、頼めば簡単にクビだぞ?」
「いいわよ、私にも考えはあるわ」
「どんな手だ」
「えっ?あなたの親があなたの頼みでやった不正を全部調べ上げて、教育委員会に訴えればあなたの親はクビよ。
それにあなたが今やってることを脅迫って言うのよ?
脅迫罪で訴えることもできるわよ?」
「うっ...」
「それでも佐々木先生と付き合いたいのかしら?」
「いっ、いや〜...すみませんでした!!」
そう言って、足早に車で去っていった....