母が倒れて
『お母さん、着たよ』

母は私を見ると涙を流して手を握り締めてきた

右手は握る事は出来たけれど腕は全然上がらなかった

顔は脳卒中の患者特有の引きつったような麻痺側の口角が下がったような顔

口を開いたり舌を出したりは出来るけれど言葉になるような口の動きは出来ず声も出せないためかすれたようになって赤ちゃんのようにアゥアゥとしか話が出来ない

自分の話や状況に疑問があるかのように首を傾げるような無意識の動きをし常に顔や手を動かしている


無事だったと安心した反面

『あぁ…脳出血の患者さんと一緒だ…』

と思い涙が止まらなくなった
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