好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
移動教室にもポツリ取り残されて、一人廊下を歩いていた。


ふと顔を上げると、私をただじっと舞子が見つめていた。

「ちょっと聖里奈さん」

口調ですぐに「怒っている」のは分かった。


「私…何か怒らせるようなこと、した?」

「それを聞きたいのはこっちよ」


「??」


訳も分からず、私は舞子に袖を引っ張られながら一緒に廊下を歩いた。


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