好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
「あなたに関係ないでしょ」

「はいはい。あっちはどうだか知らないけど、聖里奈ちゃんは何とも思ってないんでしょ」



とっさに言葉が出て来なかった。


「図星だ!」

奴がニヤリと笑った。


「とにかく、手を離してよ!」

私は半分感覚がなくなるくらい、強く腕を掴まれたままだった。


手を離した瞬間


逃げる自信はあった。


< 13 / 263 >

この作品をシェア

pagetop