好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
純情青年だった俺は、ずっと話しかけることもできずにいた。
「ゆき姉ちゃん、『いぬのおまわりさん』弾いて!」
「ゆき姉ちゃんの髪、お人形さんみたいで好き」
「おいおい、あまり無理を言っちゃ駄目だぞ」
「いいのよ、私、子ども好きだから」
ずいぶん後に入った、まだ幼い淳と美紀のおかげで
少しずつ距離が縮まり始めていた。
ある日、日に日に募る想いを押さえきれなくて
教室終わりに、こっそり彼女のあとをついていった。
「ゆき姉ちゃん、『いぬのおまわりさん』弾いて!」
「ゆき姉ちゃんの髪、お人形さんみたいで好き」
「おいおい、あまり無理を言っちゃ駄目だぞ」
「いいのよ、私、子ども好きだから」
ずいぶん後に入った、まだ幼い淳と美紀のおかげで
少しずつ距離が縮まり始めていた。
ある日、日に日に募る想いを押さえきれなくて
教室終わりに、こっそり彼女のあとをついていった。