好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
道を塞いだ男の背中から、また別の男の声が聞こえた。


「やめとけって」


また。


「何だコラ! てめぇに関係ねえだろうがよ!」

男が振り返り、怒鳴り散らす。


しかし、


「ぐはあっっ!」

手下は頬を殴られ、私の足元に倒れこんだ。

「てめぇ!!」

私を縛りつけていたヤツも、その男に飛びかかったが、同じく一発で宙を舞った。




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