好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「遅かったわね、せーちゃん。もう先生いらっしゃってるわよ」


キッチンで紅茶を入れていたママが、慌てて私に声をかけた。


「ごめんなさい。今日は何だか疲れてて…お休みしちゃダメかな」


甘えた声を出して、わざとらしく額に手を当てた。



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