好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
「………」

「俺そろそろ仕事に戻らなきゃいけないから」

「……だって…」

「しょうがねえな!」

「えっ」

「愛してるぜ」

「!!」


ガチャン

ツー・ツー・ツー……


ここぞとばかりに、電話を切られた。

だけど、私はまだ耳の奥で

何度も何度も

和希の「愛してる」が鳴り響いた。



もちろん、私は、次の電車に飛び乗った。



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