好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕


「淳クンに、迎えにきてもらいましょうよ!」


キッチンから急にママの甲高い声が響いた。

「いっ…いいよ! 私一人でも」

「あら。だって、急に具合が悪くなったらどうするの? こんなときにこそ彼氏の力を借りなくちゃ」

淳とはもう1週間会っていない。

もうこのまま自然消滅も悪くないなんて半分投げやりだったのに。

「じゃ、ママ連絡してくるね!」

このときのママの行動力は凄まじい。






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