好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
「聖里奈さん、大丈夫?」

案の定、淳は待ってましたとばかりに喜んで家に来た。

「ママが心配しすぎなのよ。たいしたことないのに」

「今日も可愛いね。さ、いこっか」


淳はこういうことをさらっと言う男だ。

身長180センチ、端正な顔立ちで、進学校の私立三高の生徒会長。

文句の付け所のない、一応、私の彼氏。


二人で並んで歩くだけで、周りの視線が突き刺さる。


私と、淳。


お似合いのカップルなのは、なんとなく分かるけど。


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