好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
「へ?」
唐突な淳の言葉に、私は足を止めた。
「コンビニにさ、面白い奴がいるんだ」
意味が分からず、私はただ首をかしげた。
「誰かと……待ち合わせしてるの?」
「違うよ。働いているんだ。バイトだよバイト」
ますますワケが分からなくなって、私は顔をしかめた。
「ゴメン、言い方が遠まわしだったよね。あのね、コンビニの時給って大体どこも最低賃金だろ? すっごく安い。働いている人も学生だったり主婦だったり。時間の融通が利くからね」