好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
淳の言葉が急に重みを持った気がした。
「だから他のところで働きたくても、働けないんだよ」
「……その人のこと、よく知っているの?」
私もいつの間にか淳の話に夢中になっていた。
「ああ、知っているさ」
私と淳は、気がつくと、そのコンビニの前までたどり着いていた。
「俺はね、悪いことをしながら、こうやって平然と顔をさらけ出して働いている奴のことが、面白くてたまらないんだ」
まだ淳は大事なことを隠しているように思えた。