好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
ペットボトルのガラス扉を開けたとき、

ちょうど裏からジュースの補充をしている店員さんの手が見えた。

「へえ。飲み物は裏から補充しているのね」

何気なく気になって、補充している棚まで行って、少し覗き込んだ。



「じろじろ見んじゃねーよ」





「きゃっ!!」


私は驚き半分、恥ずかしさ半分で、咄嗟に悲鳴を上げてしまった。

朝の慌しいお客のカタマリが、一斉に私を取り囲んだ。


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