好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
第3章 芽生え
「愛崎さん、Bの問題を答えて」


もうバイト終わって家に帰ってるのかな…


「愛崎さん?」


一人暮らし? でもバイトだけの給料じゃあ無理か。30歳で実家ってのも……


「愛崎聖里奈さん!」


「は、はいっ!」

先生の怒鳴り声で、私はやっと授業中だというのに気がついた。

今日はもうだめだ。

頭の中は彼のことでぐるぐる回る。

< 49 / 263 >

この作品をシェア

pagetop