好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕

「姫ーっ」

その甲高い声を聞いて、私は思わず固まった。

「ちょ、姫! 話したいことがあるんだけど!」

和希に会っているのがバレた?

どうしよ。

どうしよ。

どうしたらいい??


緊張して足が絡まりながら、私は美紀の待つ廊下に出た。


「土曜ヒマ?」


その声のトーンから怒っているようには感じない。



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